宿近く参宮街道を御神木が通りました
令和七年六月三日、木曽の御杣山(みそまやま)にて、
御樋代木(みひしろぎ)を伐採する神聖なお祭りが執り行われました。
御樋代木とは、ご神体をお納めする御器(みうつわ)をつくる為の、特別な御神木です。
その大切なご神木は、長野県上松町から、遥か伊勢の地まで丁寧に運ばれてきました。
実は当宿から徒歩2分ほどの場所に、かつての「参宮街道」が通っています。
江戸時代、庶民のあいだで「お伊勢まいり」が盛んになる中、旅人たちはこの道を歩いて伊勢神宮を目指しました。
そんな歴史ある参宮街道を、今回、御神木を乗せたトラックがゆっくりと走っていったのです。
お泊まりいただいたお客様の中には、「あの坂道、懐かしいな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
特に、急な坂道「牛谷坂」をご記憶の方も多いのではないでしょうか。
ご神木が通ったこの瞬間は、時代を超えて人々の祈りと道が交わった、まさに歴史の一場面でした。
写真を通して、その風景と空気を、少しでも感じていただければ幸いです。